カタチのないセカイの為に
しかし、一部の女子は、
『遊ばれてもといい!』と、
馬鹿げた話まであった。


理子は優潤と、良く遊んでいた頃は
彼の好きな人を、知っていた。

しかし、優潤の口から聞いたのは、
本当に幼かった時。

初恋と言えるのか言えないのか、
分からないくらい過去の事だったから、


中学の時、優潤が好きだった人なんて、
彼の行動からも、
沢山あり過ぎる噂話からも、
全く見当もつかなかった。





───夏休み前───

「美咲を紹介するって言う話ならパスよ。
私の親友を、女泣かせのアンタなんかに紹介できないわ。」

理子は、突っぱねた。


優潤には、『親友の美咲』と夏のお出掛け予定が在っても、言う気にはなれい。

(この時も、本当に無かったのだが…。)

そして、その場を離れようと立ち上がると、

「待って、まだ話がある。」


理子は聞く耳も持たず、
突っぱねて、立ち去ったのだ。


大切な親友を、優潤の毒牙に犯されたくなかったから。



理子はその後、優潤に追い掛けまわされる事になった。




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