カタチのないセカイの為に

大人たちは、大笑いをしていた。


それを観ていた理子は、
『まるで、先生と生徒だわ。』と思っていた。

翌日から、子供三人は、仲良く遊んでだ。

「りぃちゃんが、ママで…。
ゆうくんが、赤ちゃんね。」

優潤が、不思議そうに美咲を見た。
「みさちゃんは?」
美咲は、
「わん。わん。」
応える。どうやら、犬らしい…。

すると優潤が、
「犬はファンタが居るからダメだよ。」
美咲の愛犬『ファンタ』を指差した。


理子の膝の上にはパピヨンのファンタが乗っかっている。

理子も、子供だけで遊ぶという事はしたことが無かったので、
『りぃちゃんが、ママで…』
なんて言われても、何をしていいのか、
全く分からなかった。

それどころか、
何の為にこんな所に来ているのか、
理解不能だった。

三人は、鬼ごっこやかくれんぼもした。

理子も優潤も、
今までやったことの無い遊びばかりだった。

『おままごと』の楽しさは解らなかったが、
一緒に遊ぶ事は、本当に楽しかった。


その姿を見ていた、大人たちは、
「子供は、元気が一番よね。」
と口々にいっていた。


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