カタチのないセカイの為に
理子は、美咲を見つめた。
『あの時』の、みさちゃんが大きくなって私の前に居る。
それは、理子にとっても嬉しい事だった。
また会えるとは思っていなかったから…。
みさちゃんと、初めて会った日から、
数日しか一緒には遊べなかった。
しかし、今、思い出すと
凄く長い間、一緒に遊んでいた様な気がする。
それだけ、自分のセカイに
印象の残した女の子だった。
理子の顔は、優しい微笑を浮かべていた。
「次は、何処行くの?」
理子の問いかけに、美咲は、
小さな子供のような笑顔を浮かべた。
「適当に、歩いて見てみよぅ。
今日は、花火するでしょ?
早めに戻って、荷物の整理して…。
花火の後は、朝までトランプねー!!」
理子には、美咲の笑顔とみさちゃんの笑顔が重なって見えた気がした。
その場に居た、優潤は掛け声のような
パワフルな声を張り上げた。
「よーし、じゃぁ。次、行こう!!
今日は、忙しいぞー!!」
「待って。」
美咲が、袋の中を手を入れて
ゴソゴソと何か探し出した。
優潤は、『ん?』
優潤は、美咲の顔を観ると、
美咲の手が入っている袋に目線を動かした。