Sweet Style ―恋セヨオトメ―
「んなッ…!?」
ちょっと!!
ここ、学校だし!!
“千遥ちゃん”なんて。
そんな呼び方したらダメでしょー!?
「に、に、二宮くんッ!?」
「誰もいないから」
周りをキョロキョロ、若干挙動不審。
焦る私が何を言いたいのかわかっているらしく。
近づいてくる楓は、ニヤリと笑みを浮かべて言葉を繋ぐ。
楓が私を“千遥ちゃん”って呼ぶ時は。
ろくなことを考えてない。
それに加えてこの顔。
この悪そうな顔。
絶対何か企んでる。
嫌な予感しかしない。
どうすればいい?
放置?
逃げる?
戦う?
「千遥ちゃん」
いつの間にか私の真横に来ていた楓が。
私の名前をもう一度呼んだ。