Sweet Style ―恋セヨオトメ―

楓の長くて骨ばった指が。

そっと私の唇に触れた。





「……ッ!!」





時間にしたら瞬きをするくらいのほんの一瞬。

だけど私には。

何秒どころか何時間にも感じられた。





ざわついた胸の奥が熱い。

その熱は胸の奥だけに収まらなくて。

ドクン、ドクンと血液が流れるように。

身体中に広がっていく。





「…動かないで」





目の前には真剣な目をした楓。

私と目を合わせたまま。

楓の指が唇をなぞる。

そして…。





「…とれた」

「……………え?」





え?なに?

「とれた」って…何したの?

だって今、楓…。





何が起こったのかさっぱりわからない私に。

楓はさっきまで私の唇に触れていた指先を私に向けた。






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