Sweet Style ―恋セヨオトメ―
「悩みがある」
高校3年生。
進路を決めるこの時期に。
そんなこと言われたら焦りますって。
教師3年目。
坂巻 千遥(サカマキ チハル)は。
まだまだ足らないところだらけ。
何を言われてもドッカリしていられるベテラン先生を横目に。
慌てて時間を作った放課後。
それなのに。
「…悩みがあるんじゃなかったの?」
「ありますよ。人生左右するような悩みが」
一見深刻そうに感じる言葉も。
なんだかふざけているようにしか感じられない。
「ふざけないで」
「センセーこそ邪険にしないでくださいよ」
「してないから…」
「してますって」
してないから。
早く悩みを話してくれ。
…ホントに悩みがあるのか疑いたくなる。