Sweet Style ―恋セヨオトメ―
「……ッ!!」
身体は正直だ。
からかわれてるのがわかってるのに。
触れられてる唇に意識は集中するし。
触れている楓の指先にドキドキするし。
楓のバカーッ!!
からかうなら私のドキドキを返せぇッ!!
目の前にある意地悪な笑みを浮かべた楓にすら。
ドキドキしてしまう自分を恨めしく思いながら。
プイッ、と顔を背けると。
楓が呟いた。
「…毎日チョーク、食えばいいのに」
「食べてないってば!!」
「あー、キスしてぇ」
「したじゃん!!」
「あんなんじゃ足らない。もっと」
「ここ、学校!!」
…明日から。
ポケットに小さい鏡、入れておこう…。