Sweet Style ―恋セヨオトメ―

千遥も千遥で。

俺の数学の成績知ってるはずなのに。

授業よりも丁寧に。

ゆっくり教えてくれる。





…若干、罪悪感を感じたりもするけどさ。





盗み見るように。

コッソリ千遥に視線を向けると。

千遥自身の教科書の隅に何やら書きこんでた。





長い睫毛は、頬に影を落としてる。

柔らかそうな頬は、色が白くて透き通ってる。

プルンとした唇は、ほんの少しの隙間が俺を誘ってる。





「…あー、キスしてぇ」

「なっ …!?」





いけねぇ。

うっかり願望が言葉に出ちまった。





< 23 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop