Sweet Style ―恋セヨオトメ―
ハァ、と。
私がため息を吐いたと同時くらいに。
目の前に座るヤツ…いやいや。
私が担任を務めるクラスの生徒。
二宮 楓(ニノミヤ カエデ)が口を開いた。
「最近彼女が冷たいんですよ」
は?
彼女?
私は自分の耳を疑った。
今、彼女って言ったよね?
?マークを頭の中でグルグルさせていると。
ヤツは言葉を続けた。
「メールしても返事ないし、電話しても留守電。
休みに会いたいって言っても断られるし。
俺、なんなんですかね」
そこまで言うと。
ヤツは“ハァァァァ”と。
少し大袈裟気味にため息を吐いて。
机に突っ伏した。