Sweet Style ―恋セヨオトメ―
「センセーは彼氏の浮気とか気になりません?」
自然と上目遣いになるヤツ。
「う、浮気ッ!?」
「会えなかったり連絡とれなかったり。
怪しいとか思いません?」
「い…今、私の話はカンケーないでしょ?」
「俺の彼女、年上なんで参考にしようかなって」
ヤツは緩く口元を緩めたけど。
やわらかそうに夕日に透ける前髪の向こう側から覗くのは。
緩めた口元とは反対に。
全てを見透かしているような真っ直ぐな瞳。
その瞳に捕らえられてしまったかのように。
トクン、トクンと。
胸の奥がざわつき始める。
そこから逃げ出したくなるような緊張感に。
押し潰されそうになった時。
ヤツが。
ゆっくりと腕を伸ばしてきた。