Sweet Style ―恋セヨオトメ―
その仕草に。
また私の体温が上がるのがわかった。
…体温だけじゃない。
私の中の“女”が身体を支配しようと動き出す。
ヤツもまた。
教室では見せない“男”の顔になる。
「…顔見て、声聞いて、体温感じて。
そうやって充電してきたのに。
いまさら放置、なんて。
俺、充電切れて圏外になりそーなんだけど」
髪に口付けたまま。
ヤツが小さく囁く。
「千遥」
「…なに?」
「急速充電させて」
「急速?なにそれ」
「急速充電ってのは…」
「…ッ、バカッ!!」
「あ、顔赤い。想像した?」
「するわけないでしょッ!!」
囁かれた言葉は。
私とヤツ…楓のヒミツにしておこう。
ヒミツなのはそれだけじゃない。
私と楓は先生と生徒。
だけど。
誰にも言えないヒミツのおつきあい。
続行中。