こんなに好きなのに
4
奇跡が起こった
いや、運命かな?
今、俺キモいぐらいに舞い上がってる。
あの人がいた、あの夜に一緒に泣いた……
「あっ!少年?!久しぶりだね!元気してた?」
「あ……はい、そっちは元気そうですね…」
「えへへ、お陰さまで元気でーす!!」
「なんでここにいるんですか?」
そう、ここはあの時一緒に泣いた場所
ビルが立ち並ぶあの場所
「…やっぱりね……彼が忘れられなくてさ……」
マジでこの人おかしい…
「………なーんて、言うと思った?」
「はっ?……え?」
「あははは、少年の反応いちいち可愛いね……」
「いやいや…それが嘘になるなら、なんでここにいるかがまた分からなくなるんすけど………」
「少年…わざと気づかないフリしてるの?」
「……」
「気づいてるんでしょ?」
「……」
「私……アナタに会いたかったから、待ってたの…」
彼女は視線を落として
はにかんだ顔でもう一度目を合わせる。
「……俺もです…」