こんなに好きなのに
「亜弥さん、起きて下さい。亜弥さん、仕事は大丈夫なんですか?」
「んー…?大丈夫……もうちょっと……」
「もうちょっと、って9時ですよ?」
「……え!9時?!なんでもっと早く起こしてくれないの!!!!!?」
亜弥は慌ててベッドから飛び出ようとするけど、
「イタッ………」
体が言うことを効かないみたいで……
「ヒロくん、痛いよ…」
涙目で俺を見上げる
「遅刻しちゃった…」
初めてこんなに落ち込む亜弥を見た。
「いやいや、俺も遅刻なんでね……誰かさんのせいで」
「あれ?そういえば昨日、私は休みだったけど、ヒロくん学校だったよね?ごめん……」
「あはは…今ごろ気づいたんですか、まあ俺は元々ちゃんと学校いくタイプじゃないんで大丈夫だけど…」
「ダメじゃない、ちゃんと学校行かなきゃ!!」
「アナタに言われたくないんですけど…」
亜弥は、笑って
「確かに!」と言って
ゆっくり動き始めた。