こんなに好きなのに
「もう泣き止めよ…ごめんな…痛かった?」
亜弥の腕の痣にキスをした。
「ここも痛かった?」
次は脚の擦り傷にキスをした。
「ここも?」
腫れた瞼にキスをした。
「…他に痛い所は?」
亜弥は唇に人差し指を当てて
「………ここ…です…」
「ふふ…素直にキスして欲しいって言えよ…」
「……キ…キスして下さい…」
顔を真っ赤にして呟いた。
「嫌だ」
「なんで…?」
「お前とはしたくねー」
「……私とはしたくないの?」
「うん」
「な……なんで?」
「好きな女としかキスしねー」
「え?……私は?」
「しない」
「す…きじゃ、ない…の?」
「さっきからワーワー煩いな、お前バカなの?理解力無さすぎ…イライラするんだけど」
亜弥の髪を掴み上げて
顔に唾を吐いた
「着いてこい」
家を出る俺の後を遠慮がちに着いてくる亜弥