こんなに好きなのに



「……そろそろ、帰ったら?」


「そうだね、おじゃましました。」


「あのさ……」


「ん?…なあに?」


「もう俺の部屋、来んなよ?」


「………どうして?」




どうして?って……
お前分かんないの?

このままずっと一緒にいて、手出さない自信無いからね。



「一応これも浮気ですよ?」

「えっ!!そうなの?それはダメだね!!おじゃしました!!!」



祐実は慌てて部屋を出ていった。

振り返りもしないで……



部屋に一人残された俺は祐実の残り香に胸を締め付けられて
泣きたくなった……



もう会うこと無いんだな…

近所だから会っちゃうけど、なんか今までより切ない気持ちになるんだろうな……





あーーー!!
もう忘れよっ!!

あんなやつ

あんな可愛げないやつ

あんな女らしくないやつ



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