こんなに好きなのに


「ヒーロ君っ!」


家の前で、俺の名前を呼ぶ声がした
振り向くと懐かしい祐実の姿があった。



「祐実……」


「久しぶりだね、ヒロ君」


「…うん」



懐かしい祐実、だけど違う

黒く艶のあった髪は
痛んだ茶髪になっていて

薄かったメイクは
濃くなっていて

膝がギリギリ見える丈のスカートが
パンツが見えそうなほど短くなっていて


コレは祐実じゃない…


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