こんなに好きなのに
「ヒロ君、どこ行ってたの?」
「仕事」
「そうなんだ、学校は?」
「止めた」
「そうなんだ、どうして?」
「結婚したい人が居たんだ…」
「…ふーん、その言い方だと今はもういないみたいね?」
「うん、別れた…」
「そうなんだ……私もね…彼と別れちゃったんだ…」
体を擦り寄せて上目使いで俺を見つめる祐実
いつからそんな事する女になったんだ…
少しだけ虚しくなった。
でも、嘗て好きだった女が俺を誘惑している。
腕を引いて家へ連れていった。