胸がきゅーってした夏。
第一章 夏
「高校生になったら彼氏作って、高校生活満喫するぞ!!」
やる気満々で入学してきた4月から、
早くも4ヶ月が経とうとしていた。
7月、季節は“夏”。
入学したときは、
「夏までに彼氏作るぞ~!」
なんて意気込んでみたものの、
実際高校生になってみると、そううまくはいかないもので。
彼氏どころか、好きな人すらもできないまま夏を迎えることになってしまった。
私、桜野香澄。
まわりは既にカップルが増え始めて、
ノロケ話やらなにやらを聞かされる毎日。
友達が幸せなのは何よりだけれど、
私だって恋愛がしたい。
正直言って、羨ましくて仕方がないのが事実。