いじわるな君に恋をする



「そりゃ悪かったよ、遊びの約束断らせたのはさー」



遊び?

朔弥、今日も友達と遊ぶ約束してたんだ



「もういいから。うるさい」



朔弥の言葉に、凌くんが顔をパッと明るくさせた



「朔弥ー!!」

「うるさい!くっつくな!」



仲良しだなぁ…



……でも



凌くん、きっと私も遊ぶってこと朔弥に言ったよね

それなら、少しくらい笑ってくれてもよくない?


さっきからずっと、膨れっ面なんだもん


そんなに友達と遊ぶのが楽しみだったのかな?



……なんか、ちょっと悲しい



私が少し俯いて歩いていると



「おい、花音」

「へっ?」



名前を呼ばれて顔をあげると、さっきまで凌くんと前を歩いていた朔弥が、いつの間にか隣にいた







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