いじわるな君に恋をする



「凌、あの子誰?」



今まで黙っていた百合が口を開いた



……百合、そりゃ不安になるよね…




「同じクラスの立木愛羅。話がよく合って、すぐ仲良くなったんだ」



「へ、へぇ…」


「俺、空を見るのが好きなんだけど、そしたら立木も好きらしくて、雲の名前とかめっちゃ詳しいんだよ。今度一緒に夕焼け見ようって約束したんだよね」




ガタッ



……?



「百合?」



突然、百合が席を立った



「……あたし…帰る」



百合はそう言うと、鞄を持って走って店を出ていってしまった



「百合っ!…朔弥、先に帰ってて!」


「え…おい、花音!?」




私は百合の後を追いかけて行った






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