いじわるな君に恋をする
「はぁ……っ」
会場について、百合の姿を探した
どこ…?
辺りをキョロキョロと見渡していると
「…花音、あそこ」
朔弥が指差した先を見る
「百合!」
そこには、会場の出入口の前に立つ百合の姿があった
私はすぐに駆け寄る
「百合…?」
覗き見た百合の目からは、静かに涙が流れていた
「……凌の姿が見えたから、追いかけてきたの……でも…でもっ…隣に立木さんが居て…っ…」
百合は出入口を見つめながら話した
「二人とも…楽し、そうだった…っ…凌は、私といるときよりも笑っててっ…悔しいけど、お似合いだったのっ…」