天使の歌声
「お前が口にしてたんだろう?
 つーか、見てろよ?」

(ん?なにをだい?)

そんなことを考えてると、


ズザァァァッ‐‐‐。


ズザァァァッ‐‐‐。


(コイツはなにをしたいんだろうか・・・?)


『もういいわ、帰る・・・。』

いつまでも、連続スライディングをやっている

アイツを置いて、あたしは教室へ帰ろうと、

背を向けて、歩き出そうとしたときだった。


「いってぇぇ!!」

『なんだよ?』

「ズボンに穴が開いた・・・。」

振り返って、見てみるとそこにはでっかい

穴があった。


(バカか、コイツは・・・・。)


そう思いながら、

『付いてきて・・・?この先に更衣室が
 あるから。そこでズボン脱いで?
 あたしが縫うから・・・。』

「変態・・・。」


(おおぉい!!お前はどんな発想してんだよ!!?
 どういったら、「変態」になるわけ?
 意味わかんねぇぞ!?)

「脱げ=変態。」

『誰がだ!!!!?』

あたしは、黒いオーラを少々出しながら

突っ込んだ。

(黒い愛歌、名付けて「ブラック・愛歌」
 いいねぇ~。一層のこと、このまま
 白い愛歌、名付けて「ホワイト・愛歌」
 作っちゃう♪)

なんて吞気なことを考えながら、

男を更衣室へ連れて行き、

赤木ッチに男用のズボンを貰った。

本当は、貸してくれるだけでいいって

いったのに、無理矢理あげるって言われたから、

しょうがなく貰っただけだから。


(なんで赤木ッチは、洋服持ち歩いてんだろ・・・?)


コンコンッ

『縫い終わったんだけど、母さんか父さんに
 見てもらった方がいいよ?
 一応、コレ貰ったから・・・。』
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