本当の君を
「んで、さっきニヤニヤしてたのは
゙アイツ"のことか?」
「えっ........」
「図書室の」
「さ、朔っ!!」
あたしは朔の言葉で
一気に顔を赤く染め上げた。
「ふは、今の顔、学園一の小悪魔には
見えねぇな。」
「うぅ.....だって.....」
「ホントは泣き虫で内気だもんな」
そう言って頭を撫でてくれる朔。
朔の手はとっても温かい。
思わず口元を綻ばせた。
この温かな時間に
うっとりとしていれば、
その様子を見ていた男子の
ヒソヒソ話が耳を霞めた。