奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

カミングアウト

春ちゃんが居なかった数日間。


その間何をしてたのか訪ねてみた。


すると、『その辺プラプラしてた』という何とも適当な答えが返ってきた。


何だが悔しくて、更に突っ込んで聞くと『富士山の頂上とか?』というふざけた答えを返された。


人があんなにモンモンしてたっていうのに本当、腹立つ。


でもしょうがないかと思ってしまうのは、春ちゃんの事が好きだから。


今また一緒に居てくれる事が嬉しくて、腹立たしさも不思議と消えていった。



「バッチリ化粧してんのに何処にも出掛けねぇの?」



今日は祝日。


仕事は休み。


それでも化粧をして、部屋着を脱いで洋服を着たのにはちゃんと理由がある。



「今日は桃花がくるから……」

「桃花が来るの久しぶりだな」

「……そうだね」



なんて呑気なの!?


絶対歩君から話し聞いたんだ。


『明日家にお邪魔してもいい?』って言った時の桃花の顔……あの有無を言わせぬ殺気……只者じゃないよ……。


ーコンコンコン。


っっ!?


こ、この静かなノックのしかたは……っ。



「は、はぁい」



小さく答えると、ドアがゆっくり開いた。





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