奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
数分後に、お母さんが面倒臭そうに持って来てくれた紅茶を一口飲んだ。


桃花が来ると、紅茶だのコーヒーだの色々持って来てくれる。


それは桃花が我が家のアイドルだから。



「もう大丈夫なの?」

「へ……? 何が?」

「何がって……呆れた。 元カレの事よ」

「あ、あぁ……その事ね」



歩君の事でどんな質問をされるかっていう恐怖で、そんな事スッカリ忘れてた。


お粗末者が事の元凶なのに。



「まぁ正直動揺したし、ちょっと怖かったけど言いたい事言えたし、わりとスッキリしてるかも」

「そう、それなら良かったわ」



ふぅっと息を吐き、優雅な仕草で紅茶を飲む桃花。


ホッとしたような表情を見て、うるっとなった。



「桃花、ありがとう……」

「何がありがとうなの?」

「心配してくれて……」



何だかんだ言いながら桃花は優しい。


いつも気に掛けてくれるし、どんな時も愛情を感じる。



「元カレが原因でこれ以上文美が可笑しくなったら困るもの」



……はい?



「手が掛からない子の方が助かるわ」



この冷たい発言は愛情の裏返し。


うんうん、きっとそう。


そう思おう。






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