奇妙な関係 ～オスとワタシの奮闘記～
「何処で会ったんだよ。 何もされなかったか？」

「何もされなかったよ。 お互い何も出来ない状況だったし……あいつ、うちの会社の社長の息子だった」

「父親に本当の事話してやれば良かったのによ」

「そんな事したって意味ないよ。 普通は自分の子供を信じるでしょ？」

「まぁ、それもそうだな……」



春美ちゃんを抱く腕に力を込めた。


ギュッとすると同時にシャンプーのいい香りがした。



「春美ちゃんいい匂いがする」

「あぁ、昼間に聖子が風呂に入れてた」



最初はあんなに反対してたのに、今ではお母さんも春美ちゃんの面倒をよく見てくれてる。


春美ちゃんもお母さんにもよく懐いてる。


私は仕事で日中はいないから、凄く感謝してる。



「今日はたまたま会社に来てただけで、もう会うことはないと思うから今日の事は忘れる」

「思い出しただけで腹立つけど、しょうがねぇか。 は……こいつも元気になったしな」

「ねぇ……いい加減名前で呼んであげてよ！ 可哀想じゃん！！」

「恥ずかしくて呼べねぇんだよ！！ 呼んで欲しいなら名前変えろよな！！」

「今更何言ってんの！？」



私たちが言い合いしている中、春美ちゃんは私の腕の中でいつの間にかぐっすりと眠ってしまっていた。





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