奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
「悪い、電話だ」



いちいち言わなくていいから。


勝手にどうぞ。


ドラ息子は電話に出ると何やら楽しそうに話し始めた。


春美ちゃんを虐めてた時とは大違い。


あの日の事を思い出すと、今でも胸の奥がむかむかする。



「ねぇ……」



電話を切ったドラ息子に話しかけた。



「何?」

「……なんであの日公園であんな事したの?」

「…………」



ドラ息子は私から視線を逸らすと外に目を向けた。


私がコーヒーに口をつけると彼もコーヒーを一口飲んだ。


暫くの沈黙の後、ドラ息子は静かな声で話し始めた。



「あの頃は家の中がぐちゃぐちゃで、イラつきをどこで発散すればいいのか分からなかった。 友達と遊んでも、女を抱いても、酒を飲んでも……何しても気は晴れなかった。 今でも家の中は落ち着いたとは言えないけど、俺は落ち着いたかな」

「何があったのかは知らないけど、弱いものを虐めるのは間違ってるよ……」

「柄にもなくあの時の事は反省してる。 文美のお陰だよ」


私の?


あの時は興奮して怒鳴り散らしただけな気がするんだけど……。






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