奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
いくら考えてみても、さっぱり分からない。



「文美の真剣で必死な目を見て俺何してんだろうって思った。 あの時の文美の目と同じ目をする奴を思い出したんだ……俺はそいつの事を誰よりも尊敬してて、誰よりも信頼してる」

「あんたにも尊敬できるような人いたんだね」

「酷い言われようだな」



家柄がいいとそはそれで大変で悩みもあるのかもしれない。


私みたいに一般家庭で育った人にはわからない部分かもしれない。



「それでさ……猫は……」



言いにくそうに口をもごもごさせるドラ息子。


いや、いい加減名前で認識してあげてもいいかもしれない。


ただの世間知らずのドラ息子じゃないみたいだから。



「春美ちゃんはあの後病院に連れて行って、今はうちで飼ってるよ」

「そっか……それなら良かった。 それより誰が名前つけたんだよ」

「私だけど、何よ?」

「他にもっとお洒落な名……」

「余計なお世話! 今はもうその名前が馴染んでるんだから何も言わないで!!」



春ちゃんといい優君といい、失礼しちゃう。


春美ちゃんっていう名前も可愛いじゃん。


意味もあるし、ちゃんと心もこもってるんだから。





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