奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
桃花と一緒に車寄せに向かうと、本当にお母さんの真っ赤な丸っこい愛車がハザードを点けて止まっていた。



「迎えにきてくれてありがとう」

「階段から落ちたって聞いたけど頭とか打ってない?」

「ちょっとまだガンガンするけど平気」

「それ以上馬鹿になることはないだろうけど心配したのよ」



今さりげなく酷い事言わなかった!?


しかも笑顔で……。


こういうところで桃花と通じあってるのかもしれない。



「桃花ちゃん、連絡してくれてありがとうね」

「いいえ、それじゃあ私はこれで失礼しますね」

「何言ってるのよ。送っていくから桃花ちゃんも車に乗ってちょうだい」

「そうだよっ!!方向一緒なんだし乗っていきなよっ」



私とお母さんの顔を順に見て笑みを溢す桃花。


そんな桃花を引きずり込むように車に乗せた。






< 16 / 255 >

この作品をシェア

pagetop