奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
やっと男の人を好きになれたのに、どうしてこんなに辛い恋をしてしまったんだろう。



「春彦君は自分がいては、文美が外に目を向けなくなるって思ったんじゃないかしら?」

「私の気持ち……気付かれてたのかな?」

「あれだけ露骨な態度をとっていたら、本人だけじゃなくて、周りも気が付くわよ」

「……桃花も気付いてた?」

「えぇ……だから、心配だったわ」



心配?


どうして?



「こんなふうに、いつか文美が辛い思いをする事になるんじゃないかって、心配だったの」

「……私は考えもしてなかったよ。 ずっと楽しくて幸せな時間が続くと思ってた」

「春彦君と一緒にいたいなら、どうするか選ばないといけないわ。 出来る?」



私が決断しないと春ちゃんは戻ってきてくれないだろう。


決断するしかないんだ……。



「よく考える……一番良い方法を……」

「そう、私で良ければいつでも話を聞くからね」

「ありがとう」



冷えきったパスタを口の中につめ、急いで食べた。


腹が減っては戦はできぬって言うし、午後に備えてしっかり食べておかなきゃ。





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