奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
仕事が終わり、ロッカールームではみんな鏡で化粧や髪型を念入りにチェックしている。


特にあゆちゃん。


普段に比べ、可愛さ倍増してる。


相手が彼氏なのか合コンなのかは分からないけど……。



「お先に失礼しまぁすっ」



満面の笑みでロッカールームを出て行ったあゆちゃん。


いつも自分の気持ちに正直で羨ましく思う。


私もそろそろ行くかな。


ロッカーの扉の鏡に映る自分の顔。


あゆちゃんを見習ってニコッと笑って見たが、気持ち悪いだけで余計に気分が沈んだ。


するんじゃなかった。


ロッカーの扉を閉め、ロッカールームを後にした。


裏口から会社を出て、近くのカフェに寄った。


いつもよりも人が少ないのはクリスマスイヴだからかな?



「ホットコーヒー下さい」



注文をして外を眺めた。


鞄の中に入れている携帯が震え、画面を見た。


画面に表示される“優君”の文字。


その電話には出ずに、鞄の中へしまった。



「お待たせいたしました」

「ありがとうございます」



砂糖もミルクも入れないまま、ブラックで一口飲んだ。


いつもならブラックで飲まないのに、今日はブラックで飲みたい気分だった。





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