奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
まだまだ寒い日が続く中、余計寒さを感じる日がやってきた。



「浮かない顔ね」

「もう……分かってるくせに冷たい……」

「いいじゃないの。 普通にしてれば普通に終わるわよ」



大人な桃花ならそうだろうけど、私にそんな大人な対応ができるか不安だよ。


クリスマスの日からずっと連絡とってなくての今日だよ!?


どんな顔して会えばいいのやら……。



「酷い顔」

「ちょっと! 失礼……!?」

「あ、もっと酷い顔になった」



あれこれ考えていたのは私だけだった様で、けろっとした顔をした優君が目の前にいた。



「優、鈴川さんに失礼だろう」

「いいんだよ、いつもこんなんなんだから」

「いつもそんな態度をとっているのか!? お前という奴は……」

「あーはいはい、今後気をつけますよー」



社長の言葉を適当に遮る優君。


この容赦ない態度。


本当に親子なんだなぁと思った。



「鈴川さん、忙しいところ申し訳ないが、今日はよろしく頼むよ」

「はい」



社長はこんな私に笑顔で頭を下げると、外出していった。


そう、今日は優君が会社の見学をする為、私が案内をする日。


午後から半日……長い半日になりそうだ。





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