奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
自販機で飲み物を買いながら、チラッと優君を見た。


ベンチに座って眩しそうに空を見上げている。


太陽の光を浴び、風に靡く髪の毛。


その姿がほんの少し、春ちゃんに似ている気がした。



「何ボケっとしてんの? 喉乾いたんだけどー」



綺麗だなと思った顔は一瞬にして子供っぽい顔へと変わった。


春ちゃんに似てるかもって思ったけど、単なる見間違いだったかも。



「はいはい! 今行きますよ!!」



パシリじゃないっつーの!!


最近の子供は年上を敬うって事知らないわけ!?


芝生の上をズカズカ歩き、優君の隣に腰を下ろした。



「はい」

「……何でコーラなの?」

「え? 高校生の男の子ってコーラ好きなんじゃないの?」

「何、その偏見。 ビックリなんだけど……」



違うの!?


なんかこの雰囲気……メッチャおばさんになった気分。


優君から見たら立派なおばさんなのかも……ちょっとヘコむ。



「コーラは私が飲むから、優君はこっち飲みなよ」



私は自分で飲もうと思っていたコーヒーを差し出した。





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