奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
フロアを回っていると、役職のついている方々に次々と挨拶をされている優君。


挨拶の嵐。


さささっと終わらせるつもりだったのに、ワンフロア回るだけで予想外に時間をくってる。


挨拶を求められれば笑顔で対応する優君は流石だと思う。


性格は悪いけど、こういうところの躾はしっかりされてるんだろうな。



「大丈夫?」



フロアを出て、一気に疲れた顔をした優君に声を掛けた。



「助けてくれてもいいのに……」

「どうやって助けろって言うのよ。 それに、見学来る前から分かってた事でしょ?」

「それはまぁ、そうだけど……ここまで大変だとは思ってなかった」



私もここまで大変な事になるとは思ってなかった。


ちょっとかわいそう。



「次のフロアで最後にして、終わったら社員食堂行く?」

「行く!!」



元気のいい返事。


演技じゃなく、本当に疲れてるんだな、きっと。


私たちは一つ下のフロアにつき、フロアに入った。


入った瞬間、失敗した……と後悔。


もう食堂行ってればよかった。





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