奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
クリニック内は静かなヒーリング音楽が流れ、絵や花などが飾られ清潔感に溢れていた。


まさしく癒しの空間。


っじゃなくて!!



「ここに何しにきたの!?」

「診察してもらいにきたに決まってるでしょう?それより子供じゃないんだから少し静かにしなさい。いいわね?」



何なのその幼稚園児に話しかけるような喋り方はッッ!!


ん?


診察!?


お母さんが!?


病院に行かなきゃいけないくらい思いつめてる事があるわけ!?


そうとも知らず私ってば自分の事ばっかりで……。


きっと1人で来るのが心細かったんだ……。


カウンセリングを受けに行くなんて言い辛かったんだ……。


気付いてあげられなくてごめんね。



「母ちゃんが悩み抱えてるなんて気付かなかったな……」



春ちゃんに落ち着いた声で囁かれ、私は周りに気付かれないくらい小さく頷いた。


受付を済ませたお母さんが戻ってきて、私たちは呼ばれるまでの時間を待合室で待った。






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