奇妙な関係 ～オスとワタシの奮闘記～

気付けば春ちゃんの姿は無くなっていた。


そうだよね。


いくら春ちゃんでも人の悩みを聞くなんてデリカシーのない事はしないよね。


看護師さんに呼ばれ、お母さんが立ち上がった。



「何してるの？呼ばれたわよ？」

「へっ？私もいいの？」

「何言ってるのよ。当たり前でしょうっ」



家族だからって私まで一緒について行っていいの？


そんなに私の事頼りにしてくれてただなんて……。


お母さん……。


泣きそうな気持ちを何とか抑え、私はお母さんの後に続き診察室へと足を進めた。


診察室に入ると、ハーブのいい香りが迎えてくれた。



「聖ちゃん久しぶりね」

「真央ちゃんこそ久しぶりぃ！！元気にしてた？」

「えぇ、おかげさまで私は元気よ。聖ちゃんも元気そうで安心したわ」



何？


この嬉し懐かし雰囲気は……。


そんなに広くもない部屋に私1人寂しい感じなんだけど……。