奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
「それじゃあ真央ちゃん、今日は宜しくね」

「えぇ、心配しなくて大丈夫よ。今日は1時間くらいで終わると思うわ」



カウンセリングだもんね。


話をするわけだから1時間くらいはかかるよね。


私はその間何してようかな。



「終わったら連絡するのよ?」

「…………」

「文美?聞いてるの?」

「……?私が連絡もらうんじゃないの?」

「何馬鹿な事言ってるのよ、今から文美がカウンセリング受けるのよ?」



……どういう事?


お母さんが受けるんじゃないの!?



「ちょ、ちょちょっと待ってよ!!なんで私が!?私はお母さんの付き添いじゃないの!?」

「やぁねーお母さんは心身共に至って健康よ」

「私だって健康だよッッ!!」

「心の疲れは自分では気が付かないものよ?最近壁に向かって1人で話してたりするでしょう?もうお母さん心配で心配で……。いい機会だから男性恐怖症も治しなさいよ」



壁に向かってって……それ確実に春ちゃんと話してる時じゃん!!


今日のもやっぱり見られてたんだ……。


あれは春ちゃんと話してるんであって、決して独り言じゃないの!!


私の心の叫びも空しく、お母さんは笑って部屋を出て行ってしまった。







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