奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
待合室と同じヒーリング音楽が流れる中、私の心は落ち着くどころか慌てふためいていた。



「文美ちゃん、どうぞ掛けてちょうだい」

「…………」



飯島先生の手の先には、黄緑色のソファーが向い合せに置かれていた。


正直座りたくない。


だって私の頭も心も体も正常だもん。



「難しく考えずにただお喋りをしに来たと思ってくれればいいから。せっかく久しぶりに会えたんだから少しお話しましょう?」

「……はい」



飯島先生の素敵な笑顔に敵う筈もなく、私はソファーに腰かけた。


見た感じ飯島先生はお母さんとは正反対なタイプな気がする。


落ち着いていて、綺麗で優雅で気品があって……あれ?


それって桃花じゃん。


だからお母さんと桃花も相性がいいのかもしれない。



「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」



透明のティーカップに注がれたハーブティー。


お花が浮いている。


匂いを嗅いでみるが何のハーブなのかは分からない。






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