蒼にいちゃんと私の話


♪〜キーンコーンカーンコーン〜♪


あぁぁ……もう駄目だぁ……。

HRの時に、大澤先生の顔見れないし、授業中は今なにしてるのかなとか、本人が授業をする数学は全然頭に入らないし……病気だな、こりゃ。


「篠崎、」


「ぁ、はいっ!!」


突然呼ばれたから、声が上ずっちゃった……。


「今日の数学、お前だけ何にも解けてなかったぞ。大丈夫か、?」


だ、誰の責任ですかっ?!


「ぁ…ぇー…まぁ…はい…」


数学嫌いだし、ついていけないし。


そう思ってた頃に、先生は私の耳元まで顔を近づいてきた。


「……家帰ったら俺んち来いっ。」


……へ?


な、なにっ?!


「ついでに、コレも渡しとくぞ。忘れんなよー。」


ニヤニヤしながら、私が渡されたのは、


……コレ……鍵…?


ぇえっ?! あ、あ、合鍵ぃぃ??!!


「えっ、ちょっとまっ……」


「早く帰れよー。」


そう言ったっきり、先生は去って行っちゃった。
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