ーホストな彼ー
視線のやり場に困っていると

「ごめん…多分 俺 今 顔真っ赤やから…」

と言われて思わず振り返ろぅとしたら

「だからアカンって言うたやろっ」

と後ろから抱きしめられる形になった。


「えっ…⁉」

驚くあたしをそっと抱きしめて

「俺…信じてもらわれへんと思うけど…
多分、一目惚れやと思うねん…」

「…まっ…まさかぁ…」

「…多分信じてもらわれへんよなぁ
信じてもらえるまで 頑張るから…
ホストやからって理由で距離置くのは
やめてな?」


耳元で優しくささやいた。




次の日。

忙しい時間が終わり一段落した頃に
待機席で舞に昨日の話を聞いてもらったら
大爆笑された。

「絶対ありえへん!!
色られてるだけやし!そのうち
店に呼ばれるわ!」

…なにもそこまで言わんで良くない⁉

あたしだって100%信じた訳じゃないよ?

でもさ

昨日の彼は"普通の男の人"やったと思うねんなぁ〜

信じてみようかなって思ったもん…


客席に空席が目立った頃に一人のお客さんが入って来た。

急に静まり帰った店内。


女の子の視線を集めるお客さん。

みんなの視線をたどると…


そこには紘斗さんの姿があった。






< 13 / 36 >

この作品をシェア

pagetop