ーホストな彼ー
俺は今まで可愛い子や綺麗な子は見慣れていた。

…だけど…

可愛いとか綺麗とかじゃないんやろぅなぁ〜…

ただ単に"好み"なだけやと思う。


俺にもあったんやなぁ…
こんな感情…


店だと言う事を忘れて時間を忘れて話しこんでいた。


声も仕草も可愛いと思った。



普段なら新しい客は新人に譲る俺。

だけど今回だけは話が別だ。

テツに送り出しだけは俺になる様に頼んだ。



しばらくして帰ると言うレナ。


送り出しにいったものの 携帯番号すらなかなか聞き出せない。

やっとの思いで聞き出せたと思ったら 新人がタクシーを止めた。


もっとゆっくりせぇや‼

と思いながらタクシーに乗り込む2人に手を振って店に戻った。



「駆け付け一杯〜」

入るなり俺にビールグラスを差し出す純子。

俺が新客に食いついたのが気に入らないのだろう。

ふぅ〜〜…

大きなため息をついて黙ってグラスを取り流し込んだ。

冷たいビールが喉を潤していく。



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