『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「すげっ・・・・・
これ確実に高いだろ。」
箱には有名ブランドのロゴがあった。
箱の中にも期待を裏切らない
キラキラ光るダイアモンドが
散りばめられた品の良い指輪。
優さんに似合いそうな
シンプルだけど地味過ぎず
主張しすぎないモノ。
でも・・・・・珍しいな。
最近は家も買ったし、優さんは
余り高いものは買わなくなった。
優さんいわく、指輪とかは
本当に善いものを持っていれば
流行り廃りがないから要らないらしい。
でもこの指輪はそんな優さんの
コレクションでは見たことが無かった。
珍しかったので、マジマジと
指輪を摘んで眺めた。
あっ・・・・
中になんか書いてある。
[Ti amo-YUU]
ティ・アモ-ゆう・・・・・?
ティアモって何?
高卒の俺は英語は苦手。
ケータイで調べよ。
「え〜と・・・・・あっイタリア語か!
イタリア語で
愛してるだってさカイト!」
初めて知った単語に感動して
カイトに言ってみた。
「・・・・っておい!
愛してる優って・・・・
こんな高そうな指輪俺贈った事ない!」
優さんにマリンが産まれた後に
指輪は贈った事がある。
でも、俺はただのバーテンダー
だったので、頑張ってお金貯めて
買った指輪だったけど、きっと
この指輪の半分の値段もしないだろう。
男・・・・・・・・
もしかして、
最近帰りが遅いのは・・・・
男と会ってるからだったのか?
コトンッ・・・・・
俺は指輪をケースにしまい
元あった場所へと置いた。