『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「和樹はちゃんと
避妊してくれてたじゃない。」
優さんは目を伏せる。
「そうだけど・・・・・・・」
確かに俺は避妊を忘れた事はない。
「だから、あんたの子供じゃないの。
けど・・・・・
相手には言いたくないから。
和樹、堕ろす為の書類に
サインだけしてくれないかな?」
いつもは無表情の優さんが
ちょっとだけ悲しそうにみえた。
これが・・・・・
酔っていない優さんからの
俺への初めてのお願いだった。
「優さん・・・・・
返事明日でいいかな?」
了承していいのか迷った俺は
優さんに時間を貰った。
優さんは、うんって言って
バスルームに向かったから、
俺はその間にバーへ行く為に
マンションを出た。