『主夫』だって『恋』してますけど何か?


・・・・・優さん、男いたんだ。


妊娠よりも、意外とそっちのが
ショックだった俺。



・・・・・サインして子供堕ろしたら、
またその男と
体の関係もつのかな?


別の不安が頭を過ぎる。



優さんのマンションに居座ってから
四ヶ月くらいだっけ。


俺は優さんに告白なんてしてない。


優さんだって、俺に『好き』なんて
一度も言ってない。





妊娠は・・・・・
優さんが他の男に抱かれてた証拠。



だけど、彼氏でもない俺には、
文句を言う資格はない。



どうしようもなく、知らない男への
嫉妬心だけが渦巻いた。





だって俺は・・・・・


優さんの事が
無茶苦茶好きなんだよ。





「お疲れ様です」


「あぁ、お疲れ!」


仕事が終わり、バーを出る。


「・・・・・・・・・・」

店を出ていつもとは違う
方向に足を進めた。


この日俺は・・・・・
優さんのマンションには帰らず
久しぶりに狭くて古い
自分が借りてるアパートに帰った。



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