『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「何よ急に・・・・・・
お母さんが何か言ったの?」
水を飲んだグラスを流しに
置きながら優さんは
俺から目を逸らす。
「はい。
優さんが婚姻届を出さないのは
俺を縛らない為の優しさだって。」
「・・・・・・別に。違うわよ。
その方がお互い気楽でしょ。
あんただってお隣りの奥さんと
仲良くしてる訳だし。」
優さんはそう言いながら目を綴じた。
「違います!それは事故で・・・・
いや、一回めは魔が
さしてしまいましたけど・・・・」
あぁ、ちゃんと否定出来ない
俺はヘタレだ!
「・・・・・・・・・・・・・」
優さんは黙ったまま、リビングを
出ていこうとする。
「あのっ優さん・・・・
藤堂さんとは
もう終わってるんですよね?」
ずっと気になってた事。
「・・・・当たり前でしょ。」
そう言うと優さんは2階に
上がって行った。
ちゃんと・・・
優さんを信じないとな。
別に気持ちが晴れた
訳ではないけど、心に誓う。
確かに藤堂さんは格好いいけど・・・・
優さんは絶対渡さない。