『主夫』だって『恋』してますけど何か?
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「よしっ!」
返事をすると約束した日
俺は気合いを入れて
優さんのマンションにいた。
机には用紙とボールペンと印鑑。
後は優さんが帰って来るのを待つのみ。
バーの仕事は無理を言って休んだ。
マスターは怒ってたけど
一大事だし、しょうがない。
ガチャガチャ・・・・
「・・・・・・・和樹いるの?」
玄関が開く音がして
優さんの声が聞こえた。
「はい!いるよ!」
「・・・・あんた仕事は?」
「休んだ。サインしようと思って。」
俺の返答を聞き、
少し驚いた顔をした優さん。
「夜中、帰って来なかったから
サインしてくれないのかと思ってた。
・・・・・・ありがとう。」
すまなさそうにお礼を言うと
優さんは棚の引き出しから
封筒を出してきた。
「これに・・・・お願い。」
封筒から紙を取り出し、
俺がいる机の前に置いた優さん。
「・・・俺、これにはサインしないよ。」
「・・・・・え?」
不思議な顔で何でと呟いた優さん。