『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「あんまり男が格好良かったから
お前大丈夫かと思ってさ。

あんな美人と結婚なんてするから
苦労すんだぞ。
俺、反対しただろ〜が。」


マスター・・・・


そうだったな。

俺が優さんのマンションに
居座ってた時から、マスターは
反対してたんだよな〜



「大丈夫っす!
マスターみたいにはなりませんから!」

俺はニヤリと笑って言った。


「てめ〜!
もう心配してやらね〜からな。」

マスターは苦笑いしながら言った。



マスターは美人な奥さんに
貯金を持って逃げられた
過去があるらしい。


だから基本美人は嫌い。


ただ、優ちゃんは男前だから
許すとか言って、仲が良かったけど・・・・



カランカランッ・・・・


「あっタクシー来たみたいだぞ。」


「はい。じゃぁお疲れ様でした。」

俺は席を立つ。



あぁ、優さん指輪どんな気持ちで
受けとったんだ・・・・



「おい、和樹!
優ちゃん今でも、たまに
店来てくれてるけどさ、
全部仕事絡みで男と2人に
ならなきゃいけない時に
変なことならないように、
うち使ってくれてるんだ!」


これ今日の礼だよって
マスターは軽く手を上げて笑った。



マスター・・・・やっぱいい人っすね。



俺はちょっと安心して、
店の前で待ってくれていた
タクシーに乗り込んだ。



指輪は、藤堂さんからだ
ということは解った。



しかも、指輪には愛してる優って
イタリア語で書いてあったから
垣内さんが優さんを狙ってるのは確実だ。




主夫になって5年、
突然現れたライバルは、
かなり格好良すぎる強敵。



藤堂肇。

推定、優さんの先輩だった人
だから35歳前後。

170センチある
優さんより身長が高い。

かなり高いブランドの
指輪を贈れるくらい金もある。

そして・・・・美人すぎる優さんと
対等に並べる美男子。



・・・・・・俺、自信なくしそうです。



< 143 / 532 >

この作品をシェア

pagetop