『主夫』だって『恋』してますけど何か?
仕事・・・・・やりずれ〜・・・
水曜日でもそれなりに賑わう店内。
こりゃ助っ人がいるよな。
でも仕事がやりずらいのは・・・・
ドリンクを作りにカウンターに
戻る度に、すっごい見られてるから。
「さすが、手慣れてるね。」
爽やかな笑顔で俺を褒める視線の主。
藤堂肇。
「どうも。」
余裕の表情がムカつく!
しかも高級赤ワインなんて
飲みやがって!
それ、普通に一本一万以上すんだぞ!
藤堂さんには、グラスに注がれた
赤ワインがよく似合う。
俺なんて、優さんと赤ワイン
飲んだ事あるけど、
似合わないわねってズハッと言われたよ!
悔しい・・・・・。
悔しい、悔しい、悔しい!!
この人、俺にないもの
全部持ってるよ!
俺、垣内さんに勝ってる
ところなんてあるのか?
・・・・・やばいな、どんどん
自信失くなってく。
「すみませ〜ん!」
「・・・・はい!」
ダメダメ仕事に集中、集中・・・・・・
カランカラン・・・・
「いらっしゃいませ。
あぁ、遥先生!
今日も来て下さったんですか!」
「・・・あ、はい!こんばんは/////」
賑わう店内に、今日は一人で
やって来た遥先生。
まだ俺に慣れてないのか、顔が赤い。
うわ・・・・藤堂さんの隣しか
空いてないんだよな。
「また、カウンターになるんですが・・・・」
「一人なんで!
その方が嬉しいです////」
「そうですか。じゃぁこちらに。」
遥先生純粋そうだから・・・・
藤堂さんには気をつけてほしいな。
「和樹君の知り合い?」
遥先生を案内したら、いきなり
藤堂さんは話しかけた。
しかも、和樹君って。
馴れ馴れしいな。
「はい!あの、娘さんの
幼稚園の先生してます。」
「へえ・・・・・」
そんな感じで二人は何か
会話を続けていた。
遥先生は大人の男が苦手だと
昨日遥先生の友達が言っていた。
側にいてあげたかったけど、
一番ピーク時でそれどころじゃない。
たまに二人をみたら、遥先生は
顔を真っ赤にして俯いていた。
ありゃりゃ・・・・・・
可愛そうだな。
もう少し客が落ち着けばいいんだけど。