『主夫』だって『恋』してますけど何か?



「優とやり直したい。」



「・・・・・は?」



何言ってんの?

冗談・・・・・



けど藤堂さんのは
俺から目を反らさない。




「何いってるんですか・・・
優さんは俺の妻ですよ。」


婚姻届は出してないけど。


「関係ないね。
優の気持ちが俺に戻ればそれでいい。」

藤堂さんは挑戦的な
目つきで言った。



・・・・やっぱりこの人は、
ライバルなんだ。




「・・・・今の奥さんと子供は?」


「血が綱がってもないのに
愛せるかよ。」


「・・・・・何だよそれ。
今まで育ててきたんだろ。」


「俺、ほとんど家にいないからな。
離婚は世間体悪いから
してなかっただけだ。」




こいつ・・・・・



俺は殴りたい気持ちを抑えて
拳を握りしめる。



こんな奴がマリンの・・・・






「和樹!
向こうのお客さん帰ったから
片付け回ってくれ。」


「・・・・・はい。」


そうだった、仕事中だった。



マスターもカウンターにいたから
きっと今の話し聞いてたんだろうな。


だから仕事回してくれたんだ。


多分、あのままだったら
あいつの事殴ってた。





俺は、血が綱がってなくても・・・・・・


マリンを大事に育ててきたんだ。



あんたの血を引いてる娘をな。



俺は机を片付けながら、
藤堂さんの背中を睨む。



絶対あいつに、優さんは渡さない!



片付けをしながら
血が昇った頭を冷やす。



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