『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「和樹君、仕事終わったら
どっか行こうよ♪」
注文を聞いてる最中に一人で
来ていた女性客が俺だけに
聞こえる様に言った。
「・・・いいですよ。」
「本当?やったぁ♪」
その後も数名に声を掛けられた。
全部テキトーに返事した。
「和樹、今日最後なんだし
ラストまでいろよ。」
俺の様子を伺っていた
マスターが言った
「・・・・はい。」
ラストオーダーは2時。
閉店は3時。
もう、何だっていいよ。
その後も、お客が薦めてくる
酒を全部飲み続けた。
多分マスターは今俺を帰したら
誘って来た女客とどうにか
なるのを心配したんだろ〜な。
・・・どこまでいい人なんだよ。
でも・・・・ほっといてくれ。
どうせ優さんは
気にしないんだからさ。
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「・・・・・き・・・和樹!」
なんか・・・マスターの声するな。
俺仕事中・・・・・?
まっいっか・・・
「・・・ゴメンな・・・・頼んだよ・・・」
「・・・・はい。」
遠退く意識の中で聞こえるのは
マスターと、聞いたことある
女性の声。
え〜と・・・・
誰の声だっけかな・・・・・
俺はそんな事を考えながら
完全に意識を手放した。